高畑耕治の詩


訪れ



   


枝先の
こぶしのつぼみのふくらみ
まるで胎児のよう
ほらいま
うごいた

うぶごえ咲かせよう
春うたおうって



   


あの枝先のつぼみ

あなたの頬の産毛みたいに
ひかってる
生まれておいで 花

いとおしい



   


ひらいた花がありました
ましろくまろくほらいくつ?

ひらけない花ありました
生きていたならいまいくつ

ひらいた花と咲きました
おもかげ花に泣きました

か な し い



   


ふいにあなたは訪れてくれました
愛するかおり
じんちょうげの香にのり







「 訪れ 」( 了 )

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