高畑耕治の詩


歩道に、診察室に




病院の待合室
聞きとれない音声
流れるテレビ映像
違憲の法案
ありえない審議

原民喜の詩集を読む

診察室
いのち守ろうと休む間もない
医師と看護師

画面でエヘン
自己酩酊するばかりの
総理職おとしめ辱しめる
愚か者と
追従者の群れ

いのち軽んじ壊すことに血眼

国会議事堂の屋外
炎天下の歩道
抗議集会
選挙権のまだない学生
車椅子の青年
子どもたち
ママ
お年寄り
宗教者
医師と看護師
駆けつけた
ひとりひとり

いのちを本気で
守らずにはいられない
人間は
議事堂の外
歩道にいる

列島に散らばり咲く
街と町と村を結ぶ
歩道にいる

歩道につながる
診察室に
学校に
家に

いまいる





「 歩道に、診察室に 」( 了 )

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