高畑耕治の詩


さくら、恋うた( ら )

散り初めの



  さえずりの


梢の枝さき小鳥のさえずりも
さくらいろに染まりやわらか
お花と優しく
お話してる

満開のさくら舞い散る
幻影
ふりしきる
さえずりの花

あ 散り初( そ )めたのは
儚い羽毛の花でした



  やまばと


やまざくら雨つぶのおもみに
花びら舞いおちるとき
枝から舞いたつ
鳴き声

やまばともぬれ羽根に
花ひとひら



  ちょうちょ


花かげから花かげへ舞う小鳥
さえずり追い
さくら花びら空に舞い
そよ風にのり

ちいさなちょうょ

スミレにもスイセンにもタンポポにも
そっと
くちづけ



  雲の白に


さくらあなたはこの地にも
青空つれてきてくれる
ハートやわらかな雲
さえずりやどす
ほんのり雲

さくら花びら
青空に焦がれ
雲の白になりたいと
散ってゆく



  花飾り


手のひらにふってきた
さくらひとひら

あの日ふりむいてくれた微笑み
あなたの黒髪に
舞いおりたうすもも
花飾り

呼び覚まされて

もういないあなた
愛( かな )しみの
花ひとひら



  さくらゆき



ひとひら

花の初ゆき
せつない

あああんなに
舞い狂いはじめ
淡い白
ふりしきり
静けさ
ふりつもり

儚くかすみ遠ざかる
うしろ姿の
あのひとに
あえた気がして




「 散り初( そ )めの 」( 了 )

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