高畑耕治の詩


月の。女(ひと)に。






     今はとて天の羽衣着るをりぞ
       君をあはれと思ひいでける
             ―かぐや姫『 竹取物語 』


  ○

       月 つかれたこころにも
       まるく したしく


    ●

         う つ く し い も の に ふ れ た い


  ○

       すずむし 音いろ 月ひかり色




     まぶしいほどに 月
   好き


  ○

       ひとみくるんだ うるんだなみだ もれでるひかり
       月 お ぼ ろ


    ●

         あ な た に ふ れ た い


  ○

       夜空ひとりきり 月
      澄みきり
     君を 
   あ
  あ





   * 和歌の出典:『 竹取物語 』( 野口元大 校注、新潮日本古典集成 )



「 月の。女(ひと)に。 」( 了 )

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