高畑耕治の詩


東北、恋。
  海と牛と少女に


  弘前、恋ほたる。
  1983年〜ずっと。


いのち捨てず
続けたひとり旅
恐山のふもとまち
出会えた美しい少女
同じ年頃 ひとり旅姿
一目ぼれした 東北の
風とひかり


黒髪 風にやさしく揺れ
肌 やわらかなひかりに溶け
恋ごころ 淡く


駅のホーム別方向の列車
無言で告げた 出会ったばかりの
さようなら

こころ病んで枯野の旅
恋 駆け巡れず
灯り消えた
恋ほたる
弘前ねぷたの赤らみ
夕焼け色 横笛の哀しい
音色のよう

東北 あの夏の日の
少女
 ( 誰が恋 忘れられるもんか )

ぼくも少女もいつまでも
子ども
東北の
 ( 道はつながっているよ
  海はつながっているよ )
つながる列島の
つながる海の星の
つらなる天の川銀河の
つぶらな宇宙
ふるさとの
 ( 誰がふるさと 愛さずにいられるもんか )

ふるさとの傷深すぎ 悲しく
痛い
 ( どうか
  生きていてください )


東北 あなたは
死ぬまでぼくの
淡恋ほたる


 ( 好きです

愛しみのうた

  ずっと )

伝えたい




●参照
* こころ病んで枯野の旅//恋 駆け巡れず。松尾芭蕉「 旅に病んで夢は枯れ野を駆け巡る 」。


●ルビ
 恐山( おそれざん )。ぼくも少女( あなた )もいつまでも。淡恋( あわこい )ほたる。愛( かな )しみの。



「 東北、恋。海と牛と少女に ・ 弘前、恋ほたる。1983年〜ずっと。 」( 了 )

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