高畑耕治の詩


こころ絵ほん(よん)


天の川、愛のうた

悲しみが深いほど願いも深い
子どもたちの短冊あまりにいっぱい
あふれ笹の葉隠してしまう悲しみ
重くてあんなにたわんで
ほうきのように土ぼこりにまみれて

悲しくてたまらなくて
こぼれないようこらえたくて
上向いたら あ ああ
天の川
おおきな星の橋のよう
地平線のずっと向こう遥かな藍色の岸辺へ
渡ってゆけるの?
泳がないと溺れてしまうよ
星合いの空の闇に沈んでしまう

なぜだか聞こえた音楽
涙の音じゃないよ せせらぎだよ
泣いてなんかいないよ 星の流れのしずくだよ
不思議だね 流れるほどに水の色
ひかりの色に近づくね
願わずにはいられない悲しみのしずく
跳ねて微笑みになれ

あの星のさざなみの水面をけり
羽ばたき舞いあがる
白鳥座になりたい
みにくいアヒルだから憧れ
子どもたちの願い込めて
夜空いちめん
絵かきうた

星さん星さん
ひかりの機織り とんからり
結んであげるね星の糸
紡いであげるね白い羽根
音楽奏でて からからとんとん
願いかなえて とんからり
羽ばたくひかり
星合いの鳥 願い鳥

うたのない地上にいつも涙つぶ
どうしてだろ?
今日も降りやまない雨つぶ
織姫と彦星は雨雲のうえ なら
浴びてるんだ今もきっと
降りやまない星のひかり ほら
聞こえたよ
かささぎの羽ばたき
純白になれないからす
悲しいから
黒に浮きでる白は
優しさのささやき
会いたい
ならきっと会えるよ
愛しあいたい
ならきっと

悲しみが深いほど愛も深い
願いの流れ星
星あかりにあからむ
子どもたちのねがおにそっと
かなえてあげるよぼくが
きっと


「 天の川、愛のうた 」( 了 )

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