高畑耕治の詩


大阪の子どものうた
(なわ中の友だちに)


涙の補欠

負けたらしまいや
野球やんのももうしまいやて
みんな目でゆうてたんやあの試合 汗と砂噛んで 

ばらばらやったな みんな
こんなしんどい練習 なんでせなあかんねん
あんな好きやった野球が もう
おもろなかった
おもろかったら もっと
勝てたんちゃうやろか?

負け惜しみちゃうねんほんまやねん  でもすまん
足ひっぱってもたな俺
怪我で補欠で
負けんかったんや声涸らすんだけは でもごめん
負けてもてん 最後出してもろて
捻挫の痛みにも試合にも

なんでやろ
音 消えてん
まわりが止まってん
聞こえてん
ええんやええんやもうやきゅうもれんしゅうもなんも
ええんやええんやええんや て
まわりはみんな
えんえん泣いててん
男はぼろぼろ
女の子はぽろぽろ
汗かがやいてる涙流しててん

負け惜しみやろか?
流れんかったんやどうしても

涙の補欠になってもた めちゃ悲しい


忘れられへんねん  いつまでも


「 涙の補欠 」( 了 )

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