高畑耕治の詩


 優しさの花(よぅ)


さえずる小鳥なんの鳥

さえずる小鳥なんの鳥
アイヌのひとたち いつだって
おじいちゃんも おばあちゃんも
聞き分けていた
小鳥のさえずり

声聞くだけで
小鳥のお顔が飛んできて
小鳥を名前で呼べたんだ
小鳥をこころに
抱けたんだ

退化したぼく
小鳥の顔と名前をしらない

でも小鳥
さえずりに
耳澄まされて
好きだなって
かわいいなって
嬉しくなるのはかわらない

若葉が芽吹いた梢から
こぼれもれくる春の光に
きらめきながらふりそそぐ
さえずる小鳥
なんの鳥


「 さえずる小鳥なんの鳥 」( 了 )

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