高畑耕治の詩


 優しさの花(ふぅ)


芽吹いたよ

空へ突き刺ささっていた梢は裸のまま
離ればなれに凍えかじかんでるしかなかった

悲しみに言葉失くして泣いていた冬の
枝先の痛みのすきまに
まだらだけど やっと
淡いきみどり
浮かびあがってきたよ

女の子たちの胸のまるみに
くるまっていたやさしさがいま
目覚めやわらかにふくらんでゆくんだ
照れながら気にしてる男の子たちの
あからむ眼差しにはじらってる
愛らしい微笑み
芽吹いたよ

空があおいからあこがれるんだ
ただ楽しくなっておかしくなって
咲きこぼれる梢のみどり
笑顔のかがやき
ひろがってゆくよ


「 芽吹いたよ 」( 了 )

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