高畑耕治の詩


こころうた (さん)

あなたがそばにいてくれる
ただそれだけで
こころにあおい空のうた

あなたを見失ってしまうと
こがれるこころは
夕映えの海のオレンジの香り

こころははだかになりたくて
なにもかくさない
かくしたくない

かくれんぼする幼い子
見つけてってまばたきで求めて

ほの赤らんだうすいひふの乳のみ子
撫でて抱いてって涙で求めて

あなたの胸にふくらみ
あなたの頬をふるわせ
あなたの唇からもれくる
あなたの息にさらされ
あなたのにおいに
くるまれていたい

ふくみこまれたかなしみの
海にゆれ
潮騒につつまれ
波のしぶきの滴のゆらめきに
あなたを湛え

体温のままのよろこびに
ほっと ふくらみ
ほわほわ空をのぼってゆく
しゃぼん玉のふるえに
あなたを映し

あなたを敬う光に散り乱れ
遠くへ
響いてゆきたい


「 こころうた (さん) 」( 了 )

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