高畑耕治の詩


あいのうた(う)


あなたはきっと


明るすぎると 光を浴びると 見えないから
星のかすかな 瞬きを
映しだす湖の 水面のような まなざしを
授けられたんだ あなたはきっと

かすかなささめきを
聴きとれる こころのみみを
授けられたんだ あなたはきっと

誰も触れたがらない
見過ごそうとする いじめられた
ちいさなこころの 痛みに
涙しそっと差しのべる 優しい手を
授けられたんだ あなたがきっと

暗いなんて悲しまないで
そんなあなたを好きなんだ
ぼくはずっと

考えないのが感じないのが明るくて
静かに想うこころが暗くてだめだって
みんなまねして騒ぎたて決めつけてしまうのが
いやでたまらないんだ ぼくはずっと

微笑むあなたが好き でも
涙がこぼれたら
頬のひかりを
このゆびでふいてあげたい
ぼくがそっと

とどかないから あなたの
こころの涙だけは ぼくの
こころで つつんであげたい
これから ずっと


「 あなたはきっと 」( 了 )

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