高畑耕治の詩

てるてるぼうずの四季


てるてるぼうずは花のつぼみがとても好き
雨つぶまるいなつぼみもまるい
雨はさむいなまだ冬ごもり
ふる雨ごとにあたたかな
ひざしのあふれる雨あがり
花のつぼみ ふくらむね
そろそろ顔をだそうかな
梅のつぼみ あくびはじめた
桜のつぼみ まぶたひらいた
てるてるぼうずのスカートひらめく
春のいたずら

てるてるぼうずはかえるの子
雨がやんだよやわらかな土
もこもこ ふんわり
もぐらもぐもぐ
つくしつくつく
わらびわらわら
たけのこのこのこ
ねぼけまなこのかえるのおめざめ
まあだ ねえむい
ゆめにまどろむとうめいな
まあるいたまごのつぶらなひとみ さあおきな
おたまじゃくしのうたになれ

てるてるぼうずてるぼうず
梅雨はとってもきらいです
やる気なくしてつかれて
びしょぬれ ああいやだ
あじさいの花 かたつむり でも
きれいだな うらやみながら
ため息 ほ

てるてるぼうずは
織姫さまに片思い
いじわるだけれど雨がふること願います
いのちがけだよ彦星なんか
ほんとはでこぼこ つるつるの
ぼくのまるさにかなわない
たなばたかざりにねがいごと
ぼくが星であることをあの女(ひと)に伝えてください
天の川はてるてるぼうずのたなばたかざり
涙かな?

てるてるぼうずはひまわりが好き
あんまり暑いやぼくもほしいな麦わらぼうし
あんなにやけてそばかすだらけになりながら
おひさまじっとみてる 恋 恋 恋
ああ暑い ぼくもやける

てるてるぼうずは風のともだち
のきしたで 風の恋人ふうりんと
ふたりならんでゆれるやすらぎ
りいいん りいいん
そろそろおわかれすずしくなったね
りいいん りいいん
すすきゆれてる ぼくたち月のこどもかな
ふたりならんでながめていますと
月のひかりをあびながらちっちゃなすず虫おんなの子
ふうりんの すずしい音色にさそわれたのかな
あこがれたのかな
りいいん
ろ?
りいいん
れれ?
りいいん
るる
りいいん
らら
りいいん
 ♥

てるてるぼうずは(これはひみつなのですが)
ゆきがふることねがいます
ゆきから生まれるぼくのともだちゆきだるま
ふたりならんで にらめっこ
てるてるぼうずは
 への
   もへ
 への
ゆきだるまさん
 一○
   ○一
 一○
( へんな顔だな )
( おかしな顔だな )
ふたりどうじに ぷっ
ゆきがっせんに夢中になってるおんなの子
あっいた ぶつけないでね おねがいだから
もっときれいにしておくれ

てるてるぼうずはこどもです
いつまでたってもぼうずです
ゆきがっせんでゆきだるま 泣いてしまったおんなの子
かまくらあそびで かぜをひいたねおんなの子
もうすぐ春だよ つぼみもふくらむ
ゆめはひらくよ ぐっすりおやすみ
たとえどんなことがあっても
きみのゆめだけはお天気にしたい だから
ああした 元気に なあれ


「 てるてるぼうずの四季 」( 了 )

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