高畑耕治の詩


 いるかさん に


星の海 イルカの愛


愛する女(ひと)と抱きしめあうと
愛(かな)しく鳴いてた 遠いあの日を思い出す
きみの香り やわらかな肌
揺れる乳房 やさしい腰のうねりから
波の歌 潮騒がひろがって
ぼくは泳ぎだすんだ
あのなつかしい海に

ぼくたち イルカだった

波間でふたり 鳴き交わしたね
「 海はどこまでつづいてるんだろ 」
「 不思議ね でもわたしたち
どこまでもゆけるわ 星空にだって
きっとゆける 好きだもの 」

波がふたりに歌ってくれたね


 愛する瞳は 海のいろ
 海は愛いろ 星空のいろ
 海が夜空に 夜空が海に溶ける時
 愛するこころは 星の海に生まれます
 涙の滴 微笑みに 星の光が宿ります

ぼくたち 星のこどもだった

「 ほら あんなに赤い星 」
「 ほんとだ ヒトデみたいだね
あそこに木星 マンボウもいるよ」
「 あ かわいい 銀河のサンゴに小魚たちが 」
「 まぶしく弾けて歌っているね 」
「 わたしたちも 渡ってるのね
星の海を いまふたり 」

愛するきみのささやきに
愛しく光った あの遠い日を思い出すんだ
喜びと悲しみのふりしきる銀河
愛いろに揺らめく星の波間をどこまでも
泳いでゆこうね いつまでも
愛しあって 愛しく鳴いて
星のこども イルカにかえろう


「 星の海 イルカの愛 」( 了 )

TOPページへ

@ 愛しい瞳:
連作詩目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system