高畑耕治の詩


 あざらしのあかちゃん に


あざらし赤ちゃん、
 ありがとう


あざらし赤ちゃん
どうしてそんなにまあるい目なの
つぶらな輝き 星のよう
あざらし赤ちゃん
きみの瞳は 宇宙いろの 澄んだ海
星のひかりが訪れる 海
ぼくも瞳にすい込まれ
星のしずくを浴びるんだ

あざらし赤ちゃん
ちいさなからだで歌ってる
星のひかりは愛(かな)しいしらべ
夜空から 舞いおりてくるささやきだから
きゅっと鳴く きみ
きゅっと鳴る ぼくのこころ
地球の鼓動も きゅって鳴く
おおきなからだで歌ってるんだね
星が好きって ぼくたちと

あざらし赤ちゃん 泣いてるの
ごめんね きみを悲しませたの
まあるい目をした信じるこころ
曇らせたくない 濁らせたくない
愛(いと)しい赤ちゃん でもきみの
こころはとってもやわらかだから
傷つけられても決して壊れはしないんだ
きみは星の微笑み
美しい星の夢だから ぼくはきみを
まもりたい

まっしろな世界にねそべる雪だるま
好きだよ赤ちゃん
やすらかな息 感じていたい
まあるいきみがやわらかな
夢につつまれますように
流れ星たち きっと今夜も
きみにそっと くちづけするよ
おやすみ赤ちゃん もう眠ったの
やさしい夢を ありがとう


「 あざらし赤ちゃん、ありがとう 」( 了 )

TOPページへ

@ 愛しい瞳:
連作詩目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system