高畑耕治の詩


メジロにあいに




  つぼみ


ふくらんだのなら
紅く白く
梅の春

あいにゆきたいはやく
黄緑きみにまるい目に
目白きみに




  あかり



訪ねてみれば
目映く羽ばたく
白雪ばかり

夜空は無限譜
星氷奏でる
オルゴール
天の川
白銀

純金
月あかり
降りそそげ

ヤマタチバナ
まるい目
粉雪に
星粒の




  反歌



真冬にも

寒くない冷たくない
痛くない
ただ
まぶしいだけ




※読み 紅く: あかく。白雪: しらゆき。
 星氷: ほしごおり。
※参考 ヤマタチバナ: 山橘、ヤブコウジ(丸く赤い小さな実がなる)

※本歌
 この雪の消(け)残る時にいざ行かな
 ヤマタチバナの実の照るも見む

(万葉集 大伴家持 巻十九国歌大観番号四二二六)
 この雪がまだらに残る時に、さあ行こうではないか。山橘の実が輝くのも見よう(中西進訳)



「 メジロにあいに 」( 了 )

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