高畑耕治の詩


雪わた恋ふる古風な歌





降りやまず
冷たく頬撃ち流れ落ち
凍え零れる言葉さえ
いつのまにやらきらきらさらさら
やわらかな
しずかな調べに変わるよう

降りやまず
冷たく頬撃ち流れ落ち
凍え零れる雨でさえ
いつのまにやらはらはらひらひら
やわらかな
真白の羽に変わるよう

悲しく痛く凍てつく涙も
降るほどに
ふわふわほわほわ
真綿の雪になるでしょう

夜明けのまつげの瞳には
どんなにまぶしいことでしょう




  同反歌



おさない瞳に淡雪は
スローモーション
初恋ワルツ
遙かな
少女で
ありました

雪は光に
光は雪に

すがた変えては
舞いおりて

恋ふるばかりの
朝でした

降りしきる
まばゆい
ゆめの
ゆきでした




※読み 恋ふる: こうる。語感のために古語表記。
 真白: ましろ。少女: こびと。



「 雪わた恋ふる古風な歌 」( 了 )

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