高畑耕治の詩


聖夜の湖水、星の樹氷




  プロローグ


夕暮れは水辺で鴨と過ごしました。
穏やかなイヴの
星の夜の訪れでした。




  カモの湖



夕陽地平へ沈みゆく間際
時さえ、息をとめ
水面に照り映え
燃え、鎮まり

岸辺へ急ぎ帰る
鴨の曳く
ささ波

揺らめく
煌めきの
三角錐

湖水に
幻の


頂光り
聖水に
鴨の


冬夜空
天空も

銀の湖水
星の樹氷




  聖カモ座



ふいに思い立ち湖面を
鴨は飛び立ち
岸辺かすめ過ぎ
翔のぼり
流れ星

天頂に

高く眩しく輝くあの
聖夜の

星座に




  同 反戦歌



戦争はやみ
闇の夜にも
平和の

星音
  訪れますように。




※読み 水面: みなも。
三角錐: さんかくすい。星音: ほしおと。



「 聖夜の湖水、星の樹氷 」( 了 )

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