高畑耕治の詩


永遠に海のゆりかご




詩を書くこと、言霊を歌うこと。
育てられた言葉の色彩音楽で。
はじめに自ら感じ、言い伝えること。

詩の言葉は初めての感動の、ゆりかご。

愛するひと、たいせつに想うひと、愛しい生きもの、
とりまかれる草花、木々、丘、山、海、空、すべての
無限色の諧調の木魂たちへむけて。
語り、声を発し、飛翔してゆく響きが遙かな果てまで届けと願い、
無限時空の光と闇から帰ってきては去ってゆく木魂につつみこまれる日を
祈り待つ、
そうせずにはいられずに生きること。

創作し創造する。情熱と意志を紡ぎ、
源の泉の、希求と祈りと嘆きとあわれと感情を、
言葉の色彩音楽、香る音色の美しい織物、
詩のかたち、作品の姿に、浮かびあがらせ伝えたいと。
個人の滅び、民族・国家の滅び、人の終わり、世の終わりまで、
変わることなく絶え果てはしない。
天国、地獄、輪廻、涅槃、空、無へゆくかは、しらない

原始、どこからか降りそそぎ言葉の滴はいつか結ばれて、文字は生まれた。
パピルス、羊皮紙、甲骨、粘土、竹、紙印刷、パソコン、ネット、SNS、AI
変る媒体、伝えるための道具手段技術、プログラム、人口知能に
操られ使役され虐げられ奪われ創造性を枯らし失くしてしまうことなく、

詩を書き、言霊を歌い、祈りつづける。
作品の息となり、作品に生きるのは、
ひとりひとりの、
人だけだ

詩はこころ、ゆっくり永遠の、母の海にまでゆきつもどりつ
ゆれるゆりかご




※読み 愛しい: いとしい。
SNS: エスエヌエス。ソーシャル・ネットワーキング・サービス。
AI: エーアイ。アーティフィシャル・インテリジェンス、。人口知能



「 永遠に海のゆりかご 」( 了 )

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