高畑耕治の詩


装飾花音




シロツメクサ咲き乱れる白い丘
さまよって、いるのです。
シアワセ、という名でしたか、
幻でしたか、
あるはず、と聞いた気のする
四つ葉さがして。

みどりの髪ふり乱し
どこにもない、どこにも
みつけられないと、
みっともなく
とりみだすわたしに

ふりしきるものは
あめあられ
爆弾ばかり

幻聴ですか、聞こえたのです。

ごらん、みどり濃い葉に
浮きあがる、白々とした
わたくしの
十字架、
群れ乱れる四のクロス。
みつめられたなら、
毒ダミも
シアワセの花なの
かも

四に、死を、詩を、
香らせられるのは、
殺しあいの夜にも
呪い厭いうつむき、
深くふかく、野の花を、
愛している、あなたばかり

いまも、まだ
忘れられない、愛すること

できるはず。

アジサイ
あおむらさき
あかむらさき
濃く、淡く、
四。
汚れた地にも
ゆらめき、ささやく
十字まばゆい
彼方への
星。

きらきらと装飾音
悲にも
美を と。

こんな世なのですから
無理をせずいつわらず
なげやりになりなさい

四つ葉はないとあきらめ
花にだけそっと
嘆きなさい

花と
生きることは愛すること



葉の露に紫陽花星座万華鏡




※読み 装飾花音:そうしょくかおん。
 白々: しらじら。四: し。夜: よる。



「 装飾花音 」( 了 )

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