高畑耕治の詩


花かんむり、夕焼けに




夕焼けばかりは 泣かせてくれる



「 てらてら画面には、この人殺しばかりは断固とした正義だと、
 わめき散らしイバリかえるドギツイ血眼の、
 独断陶酔政治屋と独裁者とお追従者ばかりで。
 正義は、
 われらが神に選ばれた、われらが民族われらが国家、われら国民のうちの
 選民(賤民は断固排除して)ばかりに
 必ずや栄光をもたらす、

 われらが敵の血を流し、憎き命を断ち、滅ぼさねばなし遂げられぬ、
 イッサイ余地のない、唯一絶対の正しい選ばれねばならぬ道、
 世のため、余がくだした決断、
 神の律法、背けば死の厳命、戒厳令、徴兵令、
 おまえたち、おまえはただ
 黙り従え、

 われらのため、ワレのために
 戦い敵を殺せ。
 殺すが勝ち、殺せば正義、
 正義はわれら、われこそ正義、
 だれもかれも、あちらもこちらも、どこもかしこも、しゃくしもじょうぎも、
 殺人狂、殺人教ばやり、
 扇動者、洗脳者、狂信者バカりか 」



お黙り。

旋律のように
透明に

絵のように
静かな、真実を

シロツメクサの
三つ葉とともに、
ゆれ

息を、つめ。時を、
とめ

描ききりなさい。

きえてゆく ま、 
あの
夕焼けへ

愛しさの、
花かんむりを。

いつまでも、
編みつづけなさい





「 花かんむり、夕焼けに 」( 了 )

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