あえないあなたの涙に満ちる瞳は
あかく壊れ崩れる潤み
あの夕陽だったのでしょうか
あえないあなたの悲しい微笑みは
削られ消えてゆき細くほそく
闇に光きざみこむ
あのお月様だったのでしょうか
好き
地平線へ水平線へ沈んでゆくしか
もうないと知りながら、だから
遠いとおい遥かな
あなたが
好き
地平線を永遠の彼方まで
黄金色に
染めつくす揺らめき
見たこともない
小麦畑
見せてくれたあの
西方への
渚の波の
黄金の泡立ち
みっともなく
流しすぎたわたしの涙への
憐れみ
レクイエムだったのでしょうか
宇宙の水平線の遥かにさえ
見えない辿りつけそうにない
ネハンふだらくニライカナイ
極楽浄土テンゴクからの
マンダラケ
美しい涙の花びら
鎮魂歌だったのでしょうか
好き。
ただそれだけが、
生きるサーカス綱渡りの
いのちづな。
( そのような
悲しい人種は、ここにも
いました )
あなたとあえたことだけは
えいえんの
幻真実
幻の世のまぼろしは
真実
善、ではないけれど
消せることなくなぜか
あってしまった
真実
ガラス壊れ零れ
あふれる
悲
悪の華の嘘に
散り
咲き香る
美
遥かな異国の
黄金色の小麦畑
夢の国、でも
たわわ
うつむき、
うなじ
美しい、
穂の
頬
稲の
みのり、
息するここ、
山あい
うつつに、
愛しいこの、
黄金景色。
米コメこめこめ
次のみのり、
とわのねむり
どうか
生きられますように