高畑耕治の詩


うさぎ星の、ハミング




ハミングしているんじゃありません。
ハムハム食んでいるのです、
痛くても、生きるため。

うさぎ星の生まれです。
そう、あなたと
みあげみつめるあのつぶらな
お月さまの、
かも。

たたかいはきらいです。

肉食より草食、
草食より無食、

夢色の
詩と死と詩。
うさぎ星の生まれです。

ねがい慕う憧れの
うさぎの生き方。
非戦と
愛すること。
できるなら星のよう雪のように
やわらかに、
真綿のように。

うさぎ星の子の
生まれかわりです。

うさぎの瞳
星模様。
みつめると
あなたの瞳も
うさぎ星。
草原、みどりの香り、
遥か
映しだす。

くる日もくる日も
ハムハム草を食みながら、
ほおばる頬まるくまるで
ハミングしています。

天国極楽ニルヴァーナうさぎには
あんまり高く遠すぎて
ぴよんと跳ねあがれそうになくても、

うさぎのつぎのわたしはどうぞ
肉食動物でも
人でもけして
ありませんように。
あらゆるもので
ありませんように。

デキマスコトナラモウえいえんの
非殺生を

食まずに
草花のそば
ハミングして生きて
あれますように。

ダメでしたら、
うさぎ星の
草原の天使たち
やわらな

優しい
花に
生まれたい。

風にゆれ
ハミングしながら、
うさぎの子たちに
ハムハム食まれたいのです。

はらまれ生まれ
育てられたのですから、
うさぎ星、愛しい
母の
ハミングに。




※読み うさぎ星: うさぎぼし。食(む・活用形): は(む・活用形)。
   非殺生: ひせっしょう。愛しい: かなしい。



「 うさぎ星の、ハミング 」( 了 )

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