高畑耕治の詩


悲の、金の、滴に




みつめられている 月 きみの
瞳に
みつめられている 月 きみも
太陽の
瞳に

みつめあう 月 きみの
瞳の光 きみだけの
黄の輝きと

みあげている 瞳 瞳
地の生きものの 瞳
みまもる

月 きみの
光を
恋う

遥かはるか淡くかすむ
銀河の 星 星
星の
瞳の
滴の きみを

けれども 月
ごめん 月 きみの
瞳の
光に
みつめていたのは
みつけていたのは
ほんとうは

おおきな銀河でも星でも
月 きみでも
地の
おおくの生きものでもなくて
ほんの ちいさな
ひと
ひとり
なのでした

ひと
ひとりの
瞳の


あの日もいまもこれからも
夜空にくっきり
刻みこまれ
消えることなく
輝きつづける
おおごんの

悲しみの


ただそれだけ
なのでした





「 悲の、金の、滴に 」( 了 )

TOPページへ

新しい詩
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system