高畑耕治の詩


サクラ雨の和音




雨サクラ
さくら雨

散り地にべったり
貼りつけられてもう
光に透けることのできない

みあげると悲しげな
雨サクラ

光は透きとおり透かし
花びらのうすさを
浮かびあがらせるもの
雨は沁みてゆき浸し
重みに滴り落ちるもの
白濁した花びらもろとも

冷たい雨つぶのまるみに
満開のゆめ淡く映し
涙つぶのまま
落花する

満開の悲しみに
ぬれ、
枝垂れ、
散る、


雨サクラ
さくら雨

雨は光の子ども
光は雨の子ども

さくら花びら
雨と光
風の
恋びとだから

雨と光
風に
ゆらめき
美しく

瞬き
散る

できることなら
雪ふりしきる日に散りたいと
夢みる桜もある
という

雨ニモ落チズ
雨に落ちてもサクラ

必ずいつかおとずれる
光と風のふいの
くちづけに

ふるえ
微かに

和音する




※ 読み 雨つぶ: あめつぶ



「 サクラ雨の和音 」( 了 )

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