高畑耕治の詩


白い海




もうろうと
波も雲も彼方への境界も
水平線も
なにもみえないあの
あやうくあやふやな
白濁した
くうかん

この目のおくの
乳白色のただよいが
あそこにまで流れだし
さまよいゆき溶け
きえて
しまいそう

白い海
白い空
白い世界
白い言葉
白いこころ

白い記憶 とおく

水平線





「 白い海 」( 了 )

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