高畑耕治の詩


ニ短調 アイのアリア



昨日も今日も曇天
音楽に耳澄ます心なんにもどこにも
みつけられなかった

夜空に星の音楽
無音なにも
聴きとれなかった

夜空に花びらひとひらの香りの
流れ星も
吸いこめなかった

星座の絵を
星と星結び夜空の暗闇に
描けなかった

やすみ目覚め息していたら
真っ白な原稿用紙
無限譜パレットに
星の花
みつめ聴きとり描き

かなたの
あなた
想いたい

かなたの
あなた
想い

まっくろ
まっしろな
そら
うちゅう
とき

星のホタル
まばゆいこな雪


こんどこそ
なり
溶け
ゆきたい

そら
うちゅう
とき

余白
手書き文字の、書き残し
音符のそばの、ちんもく
絵の具と抱きあう、ぬり残し
舞い散る
闇の
ひかり
星のホタル
まばゆいこな雪


こんどこそ
なって

ぱらぱらかなしく
星の散る
地の
なげきかなしみ


はねのように
舞いおり
むかし

いま


まじり
まじわり
ふりしきり

しずか
しろいちめんに
ふりつもれ



ふりつもれ
ゆきやなぎ

ときの
音のない
色のない
香りのない
どこからどこへ
ともなく
くすぐり
そばにいてくれる
風に
しない
たわみ
散り
ただしずかに
雪と
星と
かなしみに
ふりつもれ

涙波だナムあみだ
ワレラをココロミにアワセズ
悪より

( ワケノワカラズ
 優しいイキモノが
 優先してコロされる
 暗黒より
 どこにもまだミツケラレナイ
 純白へ )

救いだしタマヘ
カミサマあなたが悪い

( ああホンネ
 言ってシマッタ
 永遠の
 地獄
 責苦落ちだ
 シカタナイ
 ニンゲンだモノ
 ってか )

素晴らしい

あったなら
いいな



( という言葉ほど
 儚く
 どこにもみつけられない
 アホなものないから
 おろかなワタシ
 あきれながら
 あなたかなたに )

みえない
アイ

もとめずに
いられない

笑み
嘆き悲しみ ムクワレズ
祈り ムクワレズ とも
生き
笑み

亡くなってしまった

慕い
泣き

( ああマリアかんのんさまの
 カノン
 星空白黒鍵盤
 むげんオルゴールの
 瞳
 あわく
 かすんでゆく
 雪
 白い花びら
 静けさ

 あびて )

アリア
うたう




「 ニ短調 アイのアリア 」( 了 )

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