高畑耕治の詩


一枚の絵と音楽と、
  光と風と生と死と




別ればかりをさだめられた生きもの、
奪いあうことを強いられた生きもの、
人であっても。
からだとこころの宇宙を、

美しい音楽の、響きそのもの、
透明音の奏でられてゆく
無限時空とし。

一枚の絵の、果てのないむこう側、
彼方の物語へ拡がり、光と風の
輝き、息づく色彩の、
無限階調として。

感じたなら、
なにもこわくない。
世界もろとも、生き果てても、
おそれることは、もうなにもない、と。

耳もと、
やわらかなひかりの息吹、
風に、
囁かれている、
気がする。

絶望さえ、
希望

小鳥のように

生と死の彼方へ翔る天の川、
かけがいのないもの。

絶滅しませんように

愛するひと
死に、別れても
そばに、
いまも、いつも、
これからも、
いて
くれる

透明の、
美に、

すこしでも、
ちかづけるのなら、
よろこびでない
悲しみでも
いい

クルシミばかりはカンベンして
ほしい、つらすぎない、

弱いわたしにも、
耐えられる

悲しみで
いい




「 一枚の絵と音楽と、光と風と生と死と 」( 了 )

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