高畑耕治の詩


花びらと羽根のための、黄の絵画



けれども星の片隅
かぎられた悲しみの土地で
いつのときにも菜の花
花びらのくちびる
ふるわせる
浮かべる
滴に


咲くことの絶えた
まぼろしの種
あなたと
会えた
今の


死はひとりひとりの


菜の花のひとり愛し
菜の花のひとりの死に
痛み
閉ざした
悲しみやわらかな
ひだ
ひとりの蝶の
羽根の花
悼みの


ふたりまぶしく似て
いちめん
菜の花の羽根の

いちめん
蝶の花の


消え去りゆく日の
風と光と悲の
記憶
永遠の額縁に
ゆらめく
無限色
静止


死と詩
香り
響き
斜光きつく


喜 悲


いのち一枚の絵に




「 花びらと羽根のための、黄の絵画 」( 了 )

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