さんじゅういちの文字にのせ
あなたへと贈る
旋律
ミソヒトモジの音数律
息をしない破片に
砕き壊さないで
そのままありのまま
こころことばの音楽
みつめ耳を
澄ませてくださるのなら
愛おしく美しい
あなたのひとみ
みみたぶ
くろかみ
あなたの
かおに
雪のように
溶けてゆきます
詩に美雪ふりしきるとき
「 み 」も「 ゆ 」も「 き 」も
まばらな音符の
灰色うしない
真白に
ふるえはじめ
はじめての
みゆきの「 み 」
ひとひらの
みゆきの「 ゆ 」
いちどかぎりの
みゆきの「 き 」
深雪の
純白
なつかしく
かなしい
初恋の
もう伝えられない
かなえられ
なかった
消えてしまう
溶けてゆく
ゆきの
せっぺん
みえない空
どこともなく
やわらかに舞う
生まれてくるまえからの
銀河のひかりの記憶
ふるえやまない
あたたかな
痛みの
白銀の
旋律