高畑耕治の詩


美ゆき銀河のための、詩旋律



さんじゅういちの文字にのせ
あなたへと贈る
旋律
ミソヒトモジの音数律
息をしない破片に
砕き壊さないで

そのままありのまま
こころことばの音楽
みつめ耳を
澄ませてくださるのなら

愛おしく美しい
あなたのひとみ
みみたぶ
くろかみ
あなたの
かおに

雪のように
溶けてゆきます

詩に美雪ふりしきるとき
「 み 」も「 ゆ 」も「 き 」も
まばらな音符の
灰色うしない
真白に

ふるえはじめ

はじめての
みゆきの「 み 」
ひとひらの
みゆきの「 ゆ 」
いちどかぎりの
みゆきの「 き 」

深雪の
純白

なつかしく
かなしい
初恋の

もう伝えられない
かなえられ
なかった

消えてしまう
溶けてゆく
ゆきの
せっぺん

みえない空
どこともなく
やわらかに舞う

生まれてくるまえからの
銀河のひかりの記憶
ふるえやまない

あたたかな
痛みの
白銀の

旋律




※ 読み 美雪 深雪: みゆき



「 美ゆき銀河のための、詩旋律 」( 了 )

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