高畑耕治の詩


画眉鳥(ガビチョウ)



知らなくてよかったのかもしれない
名前なんてかってにニンゲンがつけたもの

朝はやく窓辺から耳
くすぐってくれるきれいな声
きみの名まえ知りたくなって

出自調べる恋人なんて別れるのがシアワセ
国境なんてニンゲンの飛べない愚かさの檻

つけられた名前も扱いも小鳥きみにすこしも似合わない
画眉鳥

ガチョウのように大きくなくて
飛んで渡れない海を連れてこられて
ペットショップ鳥かごから捨てられてあげくは
害鳥扱い

出自調べるニンゲンなんてサイアクな生きもの
かまわず
うたえ
梢で

ルリルリ澄みのぼる風
朝の光に
溶けて透明な
おしゃべり
小鳥きみのきれいな
歌声
音譜の花
咲き羽ばたき
空へ





「 画眉鳥(ガビチョウ) 」( 了 )

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