高畑耕治の詩


桜ゆき星雲





 ❀



ひらいてくれた
美しい桜の
樹の下で

ひらかない


花を
 見上げ

生きよう





 ❀
   ❀



もう咲いたの?

咲いたよ

どこに?
まだつぼみでしょ?

桜は心に咲くんだよ





 ❀
  ❀
    ❀



うす曇り

さむいのに
あかるい
枝枝

きのうよりずいぶん
咲いたね


うっすら

つもってるんじゃない?

 ( 生きいそがないで )


  の精じゃない?

ちらちら
どちらも



溶けて
  ゆくんじゃない?

 ( 死にいそがないで )

ひそやかに

花曇り





   ❀
 ❀   ❀
   ❀



ふりつもれ
真綿の

 ゆき の
  ほし の
   さくら の

妖精ステキな
旋律リズムぷりずむ





 ❀
  ❀

    ❀
      ❀

        ❀



さむいよ
うすじらむ夜空に星の
けはいなんてまるでないよ

けれども冬枯れの枝枝に星の
真綿ふわり

 星 星 星の 雲
  雪 雪 雪の 雲
   桜 桜

     銀の

   ささ波
  囁き
 咲け

桜星雲

孤独に凍えたら
星の雪
遥かな
桜の

銀河マフラーにくるまり
そっと
発光し
星の花

ひらきやすらぎうすらぎ
やがてやわらかな闇の
花の雪に
溶け





「 桜ゆき星雲 」( 了 )

TOPページへ

新しい詩
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system