高畑耕治の詩


りんどうの花言葉の、反戦詩



夜にはなにもかもすべて
りんどう色に
りんどうの
花言葉のように。

  *

りんどうりんどう
どこから
咲きささやいて
くれているの?

夜空色の花びらやわらかに
「 悲しんでいる
 不安なあなたを
 愛している 」 と

うち寄せる波の
海の音に香り咲き
「 苦しいあなたを
 想っている 」 と

  *

りんどうりんどう
やさしい
あおむらさき

星空も海も夜さえも
あなた色に染めつつみ
どんなときにも
みすてず
みまもり
そっと
わたしに
歌って

りんどうりんどう
季節はずれにも
いつも
いまも

りんどうりんどう
「 悲しくても
 愛されている 」 と

  *

花の色の淡さ深みうつろいの
永遠を
学びもしない
愚かな阿呆の獣が
戦争はじめる

花のささやき葉ずれ
かしげふりむく微笑みの
瞬間を
気づけもしない
愚かな阿呆の獣が
戦争やめない

りんどうりんどう
歌いつづけて

りんどうりんどう
ゆらめきつづけて

戦争やまない
いまも
いつも
いつまでも

  *

悲しみしるひと
りんどうりんどう
花を愛せる

悲しみにしずんでも
花に
愛される

りんどうりんどう
きれいな
あいむらさき

どこからともなく
どこへともなく
宇宙の遥かな
儚い果てから
うちなびく
りんどうの音色
花言葉に

悲しくても
愛されて
いる

りんどうにりんどうに
愛されて
いる





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