高畑耕治詩集『愛のうたの絵ほん』


ぱてのおなら


ぼくは犬のおなら
きいたことがありません

ふとんのなかで ぷっと
おとがするの
ぱてのおならよ
ふとんのなかじゅう くさくて
たまらない(ぽってなるのはもっとひどいわ)
おころうとすると
ぱてはじぶんのおしりに
うおんとほえるの
おならにほえるの
だれのおなら?
って顔して
くさくてたまらない
って顔みて
おこれる?

ぱてぼくはおまえの短い足もとにもおよばない
と思った おまえの
勇気がない おならに真剣に吠えるおまえの
無垢なこころをとりもどしたい
いつかあのひとの肌におならの
ぬくもりをつたえたい
好きだってささやくおならの
うたをうたいたい おならの
うたをききたい ふたり
はもりたい あのひとの
おならをこもりうたに
ねむりたい

ぱてもうおまえから
愛するひとを奪わない ぼくに
いまできるのはおまえのおならを
いのちがけでうたうことだけ ぱて
今夜はとてもさむい
おまえのあたたかなこころであのひとを
あたためておくれ



「 ぱてのおなら 」( 了 )

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