ピヨピヨなくばかりの
ヒナでした
わたしも
夜空たかく
三日月
まばゆいほどに
ピヨピヨと
まるであの日のわたしのよう
なぜ他をまもるのか
まもろうとできるのか
まるで益にならなくても
遠いとおい起源から
まもられてきたかすかな記憶の
ふりつもりの果ての
こわれ溶けそうな
いっしゅんの
結晶の
雪
はかなく
きえてゆく
ひかりが
まもられてきたあなただから
と
三日月こな雪
ふりしきり
ピヨピヨ
かなたあおぐ
夜もなく昼もなくいつからか
やむことなく
星吹雪
いみもなく
ピヨピヨ
なきたたずめば
ははのはね
羽毛の
真綿なつかしく恋しい
星雪景色