高畑耕治の詩


光きみどりの歌



ちぢこまり冬にかたくまるく
閉ざしていた羽ひろげ
風と光のまばゆさに
おどろいて

花も若葉も
ふっと想い浮かび
ふくらみはじめる初めての
メロディー
くちずさみだす

春風もよう
ひるがえる花びら
光きみどり
生まれたばかりの葉むら

くすぐったくてまぶしくて
あなたの
髪とまつげと耳たぶ
くすぐり
ささやきかわす

なつかしい
記憶はるかな
花ことば
やわらかな
木の葉の歌

むかし
花だんにかがみこんで
かわしたあの
花びらの
花の子たちの
花のくちびる
花の耳たぶ
あの花の声

木の枝から
ふりそそいでくれた
葉っぱの優しい
音符たち

いまも
あの日のまま

こみちの子ネコもワンコも
野ウサギ子ヤギ北キツネも
木ツツキ子ジカのバンビも
子ダヌキも
いま

光る
風に

立ちどまり

あおい空
ふりあおぎ

なつかしい
子守歌に
こころ澄ませる

( 無抵抗な幼児に軍が銃うつ
おぞましいジェノサイドの世でも
ありながらも )

花と木の葉だけは
どんな生きものにだって
悲しいけだものにだって
話しかけ
歌ってる




*読み 木の葉: このは



「 光きみどりの歌 」( 了 )

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