高畑耕治の詩


だいじょうぶ ? 。 〇



だいじょうぶ?
ってあなたがきいてくれるから
だいじょうぶ
なんてあんまり
おもえないけど
声にならなくても
うんと
うなずくようにやんわり
こたえてみる

おもくふかく沈めるばかりの
錨にはなりたくないよ
あぶく玉のようにせめて
浮かんでゆきたいよほんわり
風船の
風の輝き
あなたにみせたいよ

陽光に翼とけて
イカロスのように
堕ちて沈んでもいいから
壊れてすぐ消えてゆく
シャボン玉で
いいから

なんにもない空
あの空いっぱいに
音もなく
浮かんで消える
音楽
むすうの透明な
涙だまの
光のささやききかせたいよ

だいじょうぶ?
ってあなたのやわらかなまるみに
こだましてみる

うつむきかげんにふせた
まつげのおく
かくそうとしていたかなしみを
ふりおとしたいとあなたが
なんにもない灰色の空を
なにげなく
ふりあおぐとき

壊れて消えたあとにさえ
消え果てることもできず
のこされたままのわたしのささやかな
かけらが
むりょくむごんのまま
ひるがえり
こくうに
むしょく透明な
風文字を
そっとつづり

愛しく優しいあなたのその
まなざし
瞳を
やわらかにつつみ

水色の
こだまを

ささやき
さざめき
おくりかえせる日が
ありますように

呼び醒まされ
鼓動し
呼び交わしあい
呼応する
シャボン玉むすうの
壊れて消えない
こだま

  だ

 い

  じ
   ょ
   う
  ぶ

  ?
 。
 〇

  。


 っ


あなたに




*読み 風文字:かぜもじ。愛しく: かなしく。

*参照 イカロス: ギリシャ神話。太陽に近づきすぎて
羽の付け根のロウが溶けてしまいエーゲ海に墜ちて死んだ少年。
オイディウス「変身物語」



「 だいじょうぶ ? 。 〇 」( 了 )

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