高畑耕治の詩


星飾り



まぶた閉じれば
夕日色に肌透かされ
散りまがう木の葉も紅葉も
ふりまどうほどに淡くうすれゆくおもかげの花さくら

ひかりもかなたへしずみ冷えゆくまま雨粒もなみだも
ま白にさらさら雪の粉
ゆくえなくくらがりさまよい浮かびしずむなげき
凍りつく果てちらちら
灯りまたたく祈り色あたたかな星の粉

十二月
枯れ葉もない
しわがれた
枯れ木のもと
まぶた閉じて

音楽に
旋律にすがり
かなしみの
音階
澄みのぼれば

枯れ木のいただき
すきまだらけの
枯れ枝いちめん
真冬のいたみの
星飾り




*読み 夕日色: ゆうひいろ。木の葉: このは。
紅葉: もみじ。雨粒: あまつぶ。ま白: ましろ。
粉: こ。灯り: ともり。祈り色: いのりいろ。



「 星飾り 」( 了 )

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