高畑耕治の詩
光紅葉、いちめんの
ちち ちちち
さわやかな朝の陽射しに
かわいい小鳥たち
うたわずにいられず
やさしくまどろみのまぶたをくすぐってくれます
きき ききき
おやおやさえずりにうずうず
うたわずにはいられなくなったのかな
このソプラノはきっと銀杏の黄葉
黄 黄 ききき
おひさまも高くたかくかがやきをますと
桜の葉もケヤキの葉も照り映え
ちゃちゃ ちゃちゃちゃ 茶茶 ちゃちゃちゃ
とおくかたむき沈みはじめる夕陽に
楓もさよならのひらひら
しずかなかなしみの
あか赤 あか赤あか
銀杏も桜もケヤキも楓も
山の端も地も
西空の
真紅一葉
光紅葉に
照らされ
染めあげられ
こころたかめられて
赤 あか
黄き き
茶 ちゃ
あれ? すずめたちもまたいっしょに
黄き ちちち
赤 茶 ちゅちゅん
いつのまにか夜空にも
黄金の銀杏
薄の穂波の
銀河ゆれ
星波に
すずめの夢にも
いちめんの
紅葉
赤 紅 朱
茶 金
黄 銀
あか あか あき
あき あかあか
赤
紅
朱
虹
秋
*ふりがな 光紅葉: ひかりもみじ。銀杏: いちょう。
黄葉: もみじ。楓: かえで。真紅: しんく。
黄金: おうごん。紅: あか。朱: あか。
*参照 いちめんのなのはな
山村暮鳥「風景 純金もざいく」の詩句
「 光紅葉、いちめんの 」( 了 )
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