高畑耕治の詩


粒星

(りゅうせい)





宇宙の自然の世界の社会の人間の暴力に
さらされさらわれ流され壊され
恐れおののくいまを
砂粒のように耐える

水滴に憧れゆらめきふるえふくらむ願いを
見失わないことだけは懸命に守りたいと
流され壊され潰されそうなこの
ふあんの夜を
人でありながら雨に負けず
砂粒のように耐える

悲しみも雨もしずまりますように

つぶやく声もこころもあらわせず
涙粒でしかないまま
雨粒にうたれ
砂粒のように

あすあなたと
星粒を
仰ぎみることがまたできますように





「 粒星 」( 了 )

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