高畑耕治の詩


黄泉色の花の道



さまよう歩みさえ
照らし道沿いに
八重山吹の
微笑み

堤に似顔ならべ
太陽みあげる
タンポポ

 なぜここに
 咲いたのでしょう

中洲も岸辺も
遥か
菜の花

 せせらぎなぜ
 潮騒とおく
 恋しいのでしょう

陽射しの川面に
白鷺

 なぜあなたと
 あえたのでしょう

まぶしい黄金の季節にも
片隅うっすら
紫の花

 かなしいのはなぜなのでしょうか




*ふりがな 黄泉: よみ。微笑み: えみ。潮騒: しおさい。黄金: おうごん。



「 黄泉色の花の道 」( 了 )

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