高畑耕治の詩


ゆきこすもす



星ふる夜にも息をして
冬枯れコスモスゆきふる日までそばで咲いていてほしいと
ねがった

うすあおの空
紅葉も萩も桜の葉のあかもなにもかも
ひそやかにゆき生まれるおとに耳澄まし

悪と汚濁と暴言暴力の廃棄物
吐き散らし堆積させる愚かさの世にも

枯れてゆくいちどかぎりの葉と花びらに
ふくらみの芽の予感やどすばかりのまだ固い枝さきに
ひとしく舞いおりてゆきの花の
ゆめ目覚めることふたたび
できますように





「 ゆきこすもす 」( 了 )

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