はじめて海をみた
くちづけしむねに
抱かれた あなたの
やわらかな
はだ ゆるやかな
うねり
なにもいらない
なにもみにつけず
ただあなたの
さざ波ささやきしずくかおりを
すいこみ 海を
あなたを感じていたい
くろいひとみをまち゛かにみつめ
まつげのかげりにただよい
ゆらめくひかりを
てさぐりする そっと
ゆびでつかみとろうと
くちびるではだをとかしだしたい 海よ
あなたがあることがふたしかだとしても
あなたやわたしがゆめにすぎないとしても
あなたのすきとおるあおにそまり
しずくをかおにあび
かおりにむねをふくらませ
ひびきにつつみこまれていま
あなたとまじわり
わたしもなくあなたもなく
おぼれただよい
うかびしずみ
ひかりはね
かすかにあわくふかくはげしく息づく
なつかしい波まに
あおい空をみ
かなしい潮騒をきく