高畑耕治の詩


かきねのこねこ



冬夜道
サザンカとおりすぎれば
サツキの葉ばかりの
垣根に夜ごと咲く
かすかな
なき声の


かきのねのこねこ
今日もないてる

かきねのこねこ
おなかすいたの?

かきねのこねこ
とてもさむいね

おまえの声は
声のひびきは
あの美しい
星のよう

かきねのこねこ
 ( 空腹にくるしむ
  ひとのこもいまいて )
かなしいね

かきねのこねこ
 ( 親におびえる
  ひとのこがいまいて )
さみしいね

かきねのこねこ
 ( 誤爆のひとことで片づけられてしまう
  ひとのこもいまいて )
ぼくもなく

かよわい瞬き
きえないで





「 かきねのこねこ 」( 了 )

TOPページへ

銀河、ふりしきる
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system