疲れきりなにもできない
雲ばかりの
星のみえない夜には
どこへゆこう
どこへゆけるのでしょうか
どこにもわたし
ゆけません
ひかりのない不安に
押しつぶされそう
身動きできず
横たわるばかりです
沈み
浮かび
静止し
重苦しく息つまる
けだるい
ゆううつな
とき
そのとき
なぜか
どこからか
しらべ
聞こえてきたのです
雲のむこうから
もの悲しくさみしい
ささやき
みえない星空に
波うつ
ノクターン
「 あなたの星とともに
あなたの月とともに
あなたの太陽とともに
天の川銀河とともに
アンドロメダ銀河とともに
あなたはいま
旅しているわ
あなたの血とともに
あなたの体液とともに
あなたにすまう微生物とともに
細胞らせん遺伝子とともに
分子原子クォークの銀河と
あなたはいま
旅しているわ
さまよいきらめく
もの憂げな
銀河の
音楽
ひとり旅じゃない
あなたは
生死の
メルヘン
メランコリー星雲
めくるめく銀河の
メリーゴーランド
ひとりじゃない 」
ずっとずうっとむかしから
いつまでのことやらまるで
わからず
果てしもなく遠いとおい
なんにももうなんにもない
遥かな終わりへ
不思議ばかりが
悲しく苦しく
美しい
時空を
ひかり
泣きひびき
奏でられて
いま
旅しています
銀河の音符の
蓮の花
無限時空に
咲き乱れ
散る
愛しい
ノクターン