美しいレモンのかたちの
お月さま
滴の言の葉
きらめきながら
さらさらと
「 悲しみのふかさは
喜びのきよらかさの
泉です
みどりの谷間にわきあがり
結びあえる方角へ流れゆく
しずかなせせらぎ
穏やかな水だけが
炎の狂気を鎮めます
みどりを空を
水面に映して
美しい未来
遥かに波うつゆたかな
海
ひろがる彼方を
教えてくれます 」
レモンお月さま
ゆりやまない
ゆたかなせせらぎの
水のひかりの
ひと滴であるまま
火種をのみこみ
戦争の
原発の
狂気にあおられた炎を
消しさることができるでしょうか?
「 澄みわたる水の
流れでありたいと
素直に
願ってごらん
透明な長い髪
なびかせ流れゆく
水の少女のささやき
せつなく
恋するままに 」
戦争をしない
原発いらない
暴力を強制しない
共生力はぐくまれる
水のこころ
伝えあうことはできるでしょうか?
「 生まれでたこの星の
海を
永遠の女を
想ってごらん
母を
羊水を
なつかしく
愛するままに 」
人殺しの道具さえ
ビジネスチャンスと群がり巣くう
獣性下劣さむきだしの
財界非道者も
放射性物質
まき散らし垂れ流しつづける
利権ムラ確信犯も
暗黒汚点とだけ記録して
過去に葬りさることはできるでしょうか?
「 未来は
みつめれば
いつだって
未知の
可能性の
ゆたかな
波立ち
愛する気持ちに
素直になれば
こころときめく
愛しい
泡立ち
素足で
一歩
ふみだし
潮騒へ
まぶしい
あの
海へ
あなたの愛する
あなたを愛する
海へ
ゆきなさい
生きなさい 」
レモンお月さまのふりしきる言葉は
潮風のきらめきでした
潮騒に
波のひかり
磯のかおりに
あたりいちめん
つつまれわたし
大好きな
大切な
海に
ゆれていました
波間でいつしか
こもりうた
くちずさんでいました
みちふくらみますお月さま
もうすぐ十五夜おもちつき
子どものきもち
ねがいのおもち
まんぷくおなか
ぽっこりまんげつ
ねがおほっぺ
ふっくらおもち
ゆめのきもち
ゆめのおもち
ふるふるるるる
まんまんまんげつ
うさぎさんのおもちつき 』
レモンお月さまも
にっこり
うとうと
あれ?
もうぐっすり
ほっぺも
ちょっぴり
ふくらんだよう
まあるくなあれ
おやすみなさい