おかあさん、
ほら、あの三角屋根の建物のまわり、
きらめき渦巻いてるのはなんだろ?
天の川銀河のよう。
あのひかりはね、優しいひとたちの、怒りよ。
ひとの、こころの星の、
輝きなのよ
おかあさん、ひとって、不思議ね。
色とりどりの瞬き、
なんてきれい。
ほら、きこえるでしょ。
「 戦争するな
誰も殺すな
子どもを守れ 」
わたしたち雲にまで、
響くなんてきっと、
こころの翼の、
ことばなのね。
おかあさん、わたしたちの、
おともだちだね。
ひとの、
怒りのひかり、
みまもっていようね。
まぶしい無数の無垢いろの
怒りのひかり
ハトよハト
夜空のあの雲の白にまで
とどけて
乳いろにうるむやさしさの
羽毛に
悲しみくるみ
地平にたたずみ仰ぐ
ひとの渇きを
かき抱き
舞い羽ばたいて
親子雲の会話切り裂く
戦闘機の金切り声
つんざくばかりの荒廃の島の
夜空にも
高くさやかに
こころの星
ささめかせて