高畑耕治の詩


秋、デモ日和



  あわいあおに


朝のぞいた晴れ間
「今日はデモ日和」
ちょっぴり
自嘲

いま向かう道
みあげる
うすいあお美しい
秋空は
恋愛いろ
誰もけがすことなんかできない
新鮮な
神聖な

こころときめき
しろい雲と
溶けてゆく

愛するひとに
あわいあおに
憧れるまま
デモへゆく



  人魚のようにあなたは


デモの青い夜の怒りの
疲れの波の余韻に浸されたまま
沈んでゆき寝落ちしてしまった
優しい人魚のように

朝のひかりにくすぐられ
まぶた開いたあなたは

尾びれ折り隠し
背中まるめ
ふくらみの乳房
二の腕に包み
手のひら結び
祈りの姿で
眠っていました

目覚めれば世界
潮騒さざ波
美しい

生きよう





「 秋、デモ日和 (・あわいあおに ・人魚のようにあなたは) 」( 了 )

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