高畑耕治詩集『海にゆれる』


灯台

しずんでゆく太陽のひかりに砂はうかびあがる
かぞえきれない砂つぶとほうまつのくちづけ
雲間からおりてきたことりたち
いつでもとべるから 波とあそぶ
ふりかえると
かすむあお葉にあんなにしろく
うきだしていた灯台は
とおくあかく 足あとはまぢかで
もうきえていて
歩いていたわたしはみえない
砂にかいたあなたの
文字もねがいも
かいがらもみえない



「 灯台 」( 了 )

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