高畑耕治の詩


ほたるの輪



  天の川から


月もない星もない
ひかりのない
こんなくらい夜道には

ほたる
飛んでくれればいいのに

空からまたふりそそぐ
ジエイタイキベイグンキノ
バクオン

今日は二度と戦争をしない最後の
敗戦終戦記念日
あまりにおおくのひとが
コロサレタ

こんな悲しい痛い
ひかりのない
夜道には

亡くなったかたの願いと祈りの
ほたる
ひとつひとつ
灯り舞いあがり

夜空の
天の川になるといいのに

天の川の瞬きになり
見守ってくださっていること
こころ澄まし素直に
聞きとれたら
信じられたらいいのに



  惑星から


暗がり天体望遠鏡から
ときめきの声


土星の

すごいすごい

ほたる
宇宙空間舞い
連なり
子どもたちの大好きな
土星の不思議な
おおきなまあるい
輪と輝き
微笑んでくださるのでしょうか

こんなくらいこころにまで
ほたる
舞ってくださいました





「 ほたるの輪 (・天の川から ・惑星から) 」( 了 )

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