高畑耕治の詩


ゆりの花



雨のしめりかおる
草と土の柩に
横たわることのできるその日には
待ち望んだ喜ばしいその時
目を閉じるその時には

どうぞ白いゆりの花
風に細いうなじ傾け
さようならの
まなざし降り注いでくださいますように

できることなら最期に
初めてのくちづけ
交わしてくださいますように





「 ゆりの花 」( 了 )

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